【第10号】ゴールデンビザの"大量絶滅"が始まった。普通の人に残された最後の選択肢とは?

「このまま日本にいても大丈夫だろうか?」円安、増税、キャリアの閉塞感…。そんな不安を抱えるあなたへ。海外在住10年の筆者が、国に頼らず、個人で資産と未来を守るための「生存戦略」を、毎週お届けします。
Zumin 2025.09.27
誰でも

1. 衝撃のニュース:スペインが「ゴールデンビザを完全廃止」

こんにちは。【週刊】戦略的海外移住 | 世界の羅針盤のZuminです。

現在、世界では移民に対して反発する動きが出ており、「お金で居住権を買う時代」が終わろうとしています。

そんな中、2025年4月3日、スペインが正式に「ゴールデンビザプログラムを完全廃止」したのです。

50万ユーロ(約8,600万円)の不動産投資で取得できていた居住権。12年間続いたこの制度が、一夜にして消滅しました。

理由は明確です:「マドリードとバルセロナの住宅危機」。外国人投資家による不動産買い占めが、現地住民の住宅確保を困難にしているという政府判断でした。

しかし、これは序章に過ぎません。

2. 世界で起きている「ゴールデンビザ大量絶滅」の実態

実は、スペインだけではありません。過去2年間で、欧米を中心に「ゴールデンビザ制度の大規模見直し」が進行しています。

🇵🇹 ポルトガル(2023年〜)

  • 不動産投資による取得を完全廃止

  • 最低投資額25万ユーロ→ファンド投資50万ユーロに変更(※複数の投資カテゴリーが存在)

🇬🇷 ギリシャ(2024年〜)

  • 主要都市の投資額25万ユーロ→80万ユーロに3倍以上値上げ

  • アテネ・テッサロニキでは実質的に手が届かないレベルに

🇦🇺 オーストラリア(2024年〜)

  • ビジネス・イノベーション投資ビザ(188)を完全廃止(2024年7月31日)

  • 重要投資家ビザ(SIV:500万豪ドル投資)も新規受付停止

これは偶然ではありません。組織的な「移住制度の解体」が始まっているのです。

3. なぜ今、ゴールデンビザが「標的」にされるのか?

この流れの背景には、3つの深刻な社会問題があります。

💰 住宅価格の異常な高騰
外国人投資家の大量流入により、現地住民が住宅を購入できない事態が各国で発生。特にリスボン、バルセロナ、アテネなどの主要都市で深刻化。

🏛️ 政治的な反発の拡大
「金持ちだけが特別扱いされる制度」への市民の不満が選挙結果に直結。左派政権の台頭と共に、制度廃止が政治公約化。

🌍 EU全体の政策転換
欧州委員会が「投資移住制度の段階的廃止」を推奨。各国が足並みを揃える形で制度見直しを加速。

つまり、「お金を払えば居住権が買える時代」が、構造的に終わりを迎えているのです。

4. 今週のnote:本当の「ポータブルアセット」とは何か?

ゴールデンビザが次々と廃止される今、僕たちが本当に築き上げるべきは何でしょうか?

それは、どんな制度変更にも左右されない「究極の身軽さ」です。

今週のnoteでは、戦略的海外移住における真のミニマリズムについて詳しく解説しています。

それは単に荷物を減らすことではありません。

自分自身を「どこへでも移動可能で、どんな環境でも価値を生み出せる、究極のポータブルアセット」へと作り変えること——それこそが、制度に頼らない真の自由への道なのです。

記事では、以下の3つの「見えない資産」について具体的戦略を公開:

✅ 金融資産のポータビリティ - 海外銀行口座・Wise・暗号資産で構築するグローバル金融インフラ✅ スキルのポータビリティ - AI時代でも通用する課題解決力とコミュニケーション能力
✅ マインドセットのポータビリティ - 変化を「成長の機会」に変える最強のOS

「お金で買える居住権」が消えゆく今だからこそ、誰にも奪えない「自分自身の価値」を最大化する時です。
▼記事はこちらから

海外移住の成否は「身軽さ」。最強の武器「ポータビリティ」を磨く、ミニマリスト思考。

編集後記:変化を「脅威」ではなく「機会」として捉える

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

海外移住者にとって、ビザなどの制度変更は切ってもきれない命綱です。

と同時に、制度はいつでも変えられる水物でもあります。

これまで「最終手段」として温存していた選択肢が、次々と消えていく現実。

しかし、同時に思うのです。

本当に価値のある人材にとって、これは「機会」なのではないか、と。

なぜなら、「お金だけで移住していた人たち」が市場から退出することで、「本当のスキルと価値を持つ人材」への需要は、むしろ高まるはず。

AIやロボットがなんでもやってくれるからこそ、代替できない人間ならではの武器を磨き、その国で求められる人材になるというのも忘れてはいけないことだと思います。

改めて「自分の本当の武器」は何か?それを最大化する戦略は明確か?

ビザの件を通じて、考えていきたいものですね。

みなさんも一緒に、この激動の時代を一緒に乗り越えていきましょう!

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