【第6号】なぜ、オーストラリア人は、高い税金を払っても「幸福」なのか?

「このまま日本にいても大丈夫だろうか?」円安、増税、キャリアの閉塞感…。そんな不安を抱えるあなたへ。海外在住10年の筆者が、国に頼らず、個人で資産と未来を守るための「生存戦略」を、毎週お届けします。
Zumin 2025.08.30
読者限定

1. パースへの旅が、僕に教えてくれた「国家との、新しい関係」

こんにちは。【週刊】戦略的海外移住 | 世界の羅針盤のZuminです。

先日、僕たち夫婦は、シンガポールからほど近い、西オーストラリアの都市「パース」へ、短い旅に出ました。

それは、単なるリフレッシュの旅ではありませんでした。

僕が、これからの「戦略的海外移住」を考える上で、極めて重要な示唆を与えてくれる、学びの多い旅となったのです。

今回は、その旅で僕が目にした、「国家」と「個人」の僕たちがまだ知らない、新しい“契約”の形についてお話しします。

2. オーストラリアという国の「OS」が、あまりにも魅力的だった

パースで出会った、現地に住む日本人や、オーストラリアに暮らすの友人たち。

彼らと話す中で、僕が最も衝撃を受けたのが、この国の「ヘルスケア(医療制度)」に対する彼らの絶対的な信頼感でした。

  • 子供の出産費用は、ほぼ政府が負担してくれる。

  • 大きな病気や怪我をしても、高度な医療を驚くほど低い自己負担で受けられる。

フィリピンから移住してきたある友人は、こう言いました。

「この国で子供の出産時に、僕たちが払ったのは病院の駐車場代だけだったよ」と。

もちろん、その裏側で、彼らが高い税金を納めていることも事実です。

しかし、彼らは口を揃えて言います。

「自分が払った税金が、こうして自分や自分の家族の命を守るために正しく使われている。その“納得感”があるから、高い税金を払っても全く不満はない」と。

フィリピンという異国からやってきた家族、オーストラリアの医療制度を活用し、すでに3人の子供を産んでいます。

子供ができても金銭面は気にしなくていい、病気になっても国が負担してくれる。

この絶対的な安心感、少子化に悩む先進国も見習うべきところと感じました。

ちなみに、この家族は旦那の持つエンジニアという特殊スキルが評価され、3年前にフィリピンからビザ申請、すぐに永住権を取得できたといいます。

オーストラリアのような国は、今まさに、その「武器」を持つ、世界中の個人を積極的に迎え入れようとしています。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、1999文字あります。
  • 3. Visa News:オーストラリア「Global Talent Visa」という、新しい選択肢
  • 【戦略的海外移住の思考】
  • 4. 今週のnote:あなたの「本当の武器」は、何か?

すでに登録された方はこちら

誰でも
【第8号】なぜ、シンガポールの“エリート”はキャリアの絶頂で「会社」を...
読者限定
【第7号】タックスヘイブンの罠:あなたの米国株投資、毎年30%盗まれて...
読者限定
【第5号】僕が、シンガポール国家に「人生を査定」された日
読者限定
【第4号】なぜ今、中国富裕層が、香港の「貯蓄型保険」に殺到しているのか...
読者限定
【第3号】シンガポール建国60周年。国家から学ぶ「個人の生存戦略」
読者限定
【第2号】マレーシアビザの「改悪」から学ぶ、移住戦略の“新常識”
誰でも
【創刊号】戦略的海外移住の羅針盤:Zuminよりご挨拶と、タイのLTR...