【第8号】なぜ、シンガポールの“エリート”はキャリアの絶頂で「会社」を辞めるのか?

1. 優秀な同僚が会社を辞める
こんにちは。【週刊】戦略的海外移住 | 世界の羅針盤のZuminです。
先日、僕が今働くシンガポールのAI企業で、一人の極めて優秀な同僚が退職することを発表しました。
彼女は30代後半でありながら、会社の、まさに「創業期」からのメンバーであり、海外拠点の代表を務める、誰もがその輝かしい未来を信じて疑わなかった、エリート中のエリートです。
彼女が会社を辞める理由。
それは、競合への転職でも、起業でもありませんでした。
彼女が選んだ道。
それは「ミニリタイア」でした。
2. 「ミニリタイア」とは何か?─人生の“再起動”ボタン─
HSBCの最新の調査によると、シンガポールでは約49%もの人々が人生の中で、複数回の「キャリアブレイク(長期の休暇)」を望んでいると言います。
これは、世界平均(45%)を上回る数字です。
彼らがその休暇で、何をしたいのか。
-
「自由な旅行」
-
「家族との時間」
-
「心身の健康」
これは、単なる「長期休暇」ではありません。
人生という長いマラソンの中で、意図的に立ち止まり、OSを再起動させ、次の新しいステージへと自分自身をアップデートさせていく。
「ミニリタイア」とは、人生の“再起動ボタン”なのです。
【戦略的海外移住の思考】
なぜ、彼らは「再起動」を恐れないのか
では、なぜこれだけ生活コストの高いシンガポールで彼らは、僕たちが、あれほどまでに恐れる「キャリアの中断」を恐れないのでしょうか。
その答えは、彼らの「資金源」に隠されています。
彼らのミニリタイアの資金源。
それは「投資収益・配当・利息(52%)」「貯蓄(56%)」「年金基金(37%)」といった、自らの「資産」から生み出されているのです。
つまり、彼らにとって会社を辞めることは「収入がゼロになる」ことを意味しません。
彼らは、自分が働いていなくても、自分の「資産」が自分の代わりに働き続けてくれるという強力な「キャッシュフローエンジン」を若くから意識し、既に人生に実装しているのです。
だからこそ、彼らはいつでも会社という一つのゲームボードから降りる自由を持っている。
僕の同僚もそうでした。
以前、僕が彼女とランチをした際に、FIRE(経済的自立・早期リタイア)の概念について話したことがあります。
当時、彼女はまだその「概念」自体を知らないようでした。
その何気ない会話が火種になったか、は定かではありませんが、そこから時を経て、今回の「ミニリタイア」という具体的な「行動」へと繋がったのです。
もちろん、その全ての土台に彼女自身が、既に十分な「資産」を築き上げていた、という事実があることは言うまでもありません。
今思えば、「いつリタイアしても生活できる十分な資産がある」と言っていたことは、まさに一つのシグナルだったのかと感じます。
3. 今週のnote:「豊かさの定義」は、アップデートされているか?
ミニリタイアという、新しい選択肢を実現するには、まず僕たち自身の「豊かさの価値観」を見つめ直す必要があるかもしれません。
今週のnoteでは、僕がオーストラリア・パースで出会った二組の家族の物語を通じて、「本当の豊かさとは何か?」という根本的な問いに向き合いました。
「子供3人を産んで、かかった費用は病院の駐車場代だけ」と語るフィリピン系移住者家族。
5人の里子を愛情深く育てるオーストラリア人とフィリピン人の夫婦。
彼らの暮らしから見えてきたのは、銀行口座の残高やポートフォリオの数字だけではない、心と体の健康、家族との時間、そして税金が正しく使われているという国への「納得感」でした。
僕たちが本当に「移住」させるべきは、自分たちの身体や資産だけでなく、この「豊かさの定義」そのものなのかもしれません。
▼記事はこちらから
【駐車場代だけで、子供が産める国】 本当に手に入れるべき“豊かさ”とは何か?考えた
編集後記
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
第8号、いかがでしたか?
この記事を書きながら、僕は、改めて考えていました。人生とは、一本道ではない。いつでも立ち止まり、再起動し、そして、新しい道へと進むことができる。
その「選択の自由」こそが、僕たちが本当に手に入れるべき、究極の「豊かさ」なのかもしれません。
もし、あなたが「ミニリタイア」できるとしたら、何をしてみたいですか?
ぜひ、コメント欄やXで僕に教えてください。
来週も、またこの場所でお会いしましょう!
内容が気に入ったらぜひ、ニュースレターの登録、noteのフォローもよろしくお願いします!
すでに登録済みの方は こちら